テレビや新聞紙上をにぎわす大企業の大型倒産ですが、この時不渡りといった言葉をよく耳にするのではないでしょうか。
いわゆる不渡りは、約束手形の不履行を示すもので、小切手や手形の支払期日を過ぎても、債務者から債権者へ額面金額が、引き渡されず決済できないことをいいます。
では、売掛債権の場合は、どう処理されるのでしょう。
デフォルトと不渡り
まず、不渡りについてですが、不渡りは手形や小切手使われる用語で、支払期日に銀行やメガバンクで、支払いのため呈示したのにもかかわらず、支払いが受けられないことを言います。
不渡りは、約束手形や小切手の振出人が、何らかの理由で支払いに応じられないことを意味し、半年の間に2回の不渡りを出すと、取引停止処分を受けることになります。
また、銀行などから、2年間当座取引と貸出取引を停止されますので、事実上の倒産を意味するものでもあります。
次にデフォルトですが、売掛先から期日に支払いがない場合のことで、売掛先が倒産等で支払いができなくなることです。
デフォルトは、不良債権とも呼ばれ、不渡りと非常によく似ていますが、債務者から回収することが困難な状況にある債権のことをいいます。
不渡りも不良債権も、倒産の可能性が非常に高くなることから、わが国では国内法で4%の自己資本比率を維持することが求められています。
償還請求権とノンリコース
ファクタリングの場合、会社間の取引で発生する売掛金を債権として扱い、ファクタリング会社に譲渡売却するものです。
では、ファクタリングにおいて、デフォルトが発生してしまった場合はどうなってしまうのでしょう。
具体的に、デフォルトは不良債権を意味するもので、ファクタリングを実行し、業者に売掛債権を譲渡売却した後、売掛債権対象企業が倒産してしまったといったケースになります。
ここで重要なポイントとなるのが「償還請求権」ということになります。
償還請求権とは、リコースとも呼ばれ、売掛債権を譲渡売却した後で、売掛金の価値がなくなってしまった場合、ファクタリング会社側が依頼者側に対して、売掛金を請求できる権利のことを言います。
約束手形の不渡りの状況と似た図式がありますが、異なるのはファクタリングの場合、ノンリコースを設定できるところにあります。
ノンリコースとは、償還請求権がない事を意味するもので、ファクタリングを行う際に、ノンリコースに設定しておけば、依頼者側は支払い義務はありません。
連鎖倒産を上手に回避
不渡りと不良債権を理解したところで、ファクタリングを利用する事で、利用者にとってかなりメリットになるということがお分かりいただけたかと思います。
現在のファクタリングの主流は、返還請求権なしのノンリコースで行われることがほとんどです。
ただし、ファクタリング会社のすべてが、ノンリコースに対応しているとは限りませんので、必ずご確認のうえ、正式な契約を行いましょう。
ノンリコースは、依存していた取引会社が、万が一倒産したとしても、連鎖倒産を回避できるといったメリットがあります。
もちろん、このリコースは交渉すれば、依頼者側でファクタリング会社に買い取ってもらうことも可能です。
ただし、ファクタリング会社が、交渉に応じてくれるかは別な話となります。
また、リコースの危険性を回避する方法として、共済制度を利用した保険をかけておくといった方法もあります。
まとめ
不良債権と、不渡りの違いが、よくお分かりいただけたかと思います。
そこで、不良債権になる可能性がある売掛債権を、ファクタリング会社に早めに売却しようとお考えの方もいらっしゃるかと思います。
しかし、ファクタリング会社も、信用情報機関を通じてしっかり調査しますので、あまりお勧めはできません。