最近にわかに、脚光を浴びるようになってきたファクタリングですが、ファクタリングの歴史は16世紀の大航海時代にまで遡るといえば、以外に驚かれる方が多いのではないでしょうか。
そこで、ファクタリングを活用するうえで、基本となるファクタリングの手法と、メリットデメリットも合わせた、上手な活用方法を説明しましょう。
ファクタリングの仕組みとは
ファクタリングは、会社が取引先に対する商品やサービスにおいて、発生する売掛債権をファクタリング会社に譲渡する形で、現金化するといった手法となります。
金融機関などの融資と異なるのは、担保や保証人がいらず、利息などが発生しない点です。
ファクタリングにも、業種によって様々なタイプの取り引きが行われますが、基本となる形は2社間契約と3者間契約という事を覚えておきましょう。
通常取り引きにおいては、取引先に対して、商品の納入やサービスの提供などによる支払金が発生します。
この時、納入時やサービス時には、納品書や請求書が取引先に渡されます。
しかし、その場での現金の支払いはまれで、ほとんどが1か月や2カ月先の支払いになります。
しかし、急な発注の増加や、多忙期に差し掛かった場合、あるいは老朽化の改築や新規事業など、運転資金の入手に困窮するケースはよくあることです。
ファクタリングは、こうした数カ月後に支払われる売掛債権に対して、前倒しといった形で迅速に現金を入手する方法です。
ファクタリングのメリットとデメリット
ファクタリングのメリットには、必要になった資金を補てんできるといったメリットがあります。
融資とは異なり、売却といった形で運転資金を入手できますので、借入金などのように利息が発生する事もありません。
メリットには、繁忙期に備えた仕入代金の決済や季節要因による売上の補てん、そして大口受注の仕入代金の決済などが考えられます。
つまり、ファクタリングは一回決済ですので、単発や継続的でない資金使途に向いている資金入手の方法です。
また、ノンリコースでの契約であれば、万が一相手先が倒産しても、売却金額を返済することもありません。
デメリットとしては、固定費の増加は長期的要因となりますので、ファクタリングにはあまり向いていません。
具体的には、長期間で減価償却していく設備投資資金や正社員の大量採用等の固定費の増加分、また慢性的な経営悪化により、毎月資金がショートしている場合などは、融資の方が向いているといえます。
うまく活用したいファクタリングの手法
会社経営において、鉄則となるのが、慢性的な資金不足の場合、まずは融資や増資・社債等によって会社の外部から資金を注入する事です。
当然ながら、既存借入のリスケやコストカット等も必要で、慢性的な資金不足にファクタリングを利用するのはお勧めできない方法です。
というのも、一時的にしのげても、手数料の分だけキャッシュが目減りし、さらに資金繰りの悪化といった状況を招いてしまうからです。
うまく活用したいファクタリングの手法としては、ファクタリングを活用したオフバランスが上手な活用の方法となります。
経理の方であれば、ご存知であるバランスシート(BS)ですが、ファクタリングを利用することで、BSの総資産額を減らせることができます。
ファクタリングは、借入金ではなく売却ですので、BSでは資産の部に記載することができます。
つまり、資本金と負債のバランスの調整ができ、 資本金がどれくらい利益を生んでいるかといった企業評価上の指標の数値が良くなることで、銀行などの金融機関から融資を受けやすくなるといったメリットがあります。
まとめ
ファクタリングが、これまで日本であまり盛んではなかった理由に、手形が一般的であり、売掛債権の譲渡は信用の低下につながるといった考えからでした。
しかし、現在ではファクタリングを利用する中小企業も多く、新たな資金入手の方法として注目を集めています。